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JavaScriptのデータ型は、プログラムを理解し効率的に扱うために非常に重要な要素です。
この記事では、基本的なデータ型から複雑なオブジェクト型まで、網羅的に解説していきます。
データ型を理解することで、より正確で効率的なコードを書くことができ、バグを防ぎやすくなります。
JavaScriptのデータ型の基本
JavaScriptには、大きく分けて「プリミティブ型」と「オブジェクト型」の2つのデータ型があります。
プリミティブ型は、単一の値を持つ基本的なデータ型で、オブジェクト型は複数のプロパティやメソッドを持つデータ構造です。
プリミティブ型
数値型(Number)
数値型は、整数や浮動小数点数を扱うデータ型です。
JavaScriptでは整数と小数に区別がなく、全てNumber
型として扱われます。例:
let num1 = 42;
let num2 = 3.14;
文字列型(String)
文字列型は、一連の文字を表すデータ型です。
文字列はシングルクォートかダブルクォートで囲みます。例:
let greeting = 'Hello, World!';
真偽値型(Boolean)
Boolean型は、true
またはfalse
の2つの値しか持ちません。
条件式やフラグとして利用されます。
let isJavaScriptFun = true;
未定義型(Undefined)
未定義型は、変数が宣言されているが値がまだ割り当てられていない場合に使用されます。
let undefinedVariable;
Null型
Null型は、値が存在しないことを明示的に表すために使用される特別な値です。例:
let nullValue = null;
シンボル型(Symbol)
シンボル型は、ES6で導入された新しいデータ型で、一意の識別子を作成するために使用されます。主にオブジェクトのプロパティキーとして使われます。例:
let sym = Symbol('unique');
オブジェクト型
オブジェクト型は、複数のプロパティやメソッドを持つデータ型で、配列や関数もオブジェクト型に分類されます。
オブジェクト(Object)
オブジェクトは、キーと値のペアを持つデータ構造であり、柔軟にデータを管理できます。例:
let person = {
name: 'John',
age: 30,
greet: function() {
console.log('Hello!');
}
};
配列(Array)
配列は、複数のデータを順序付きで管理できるデータ型です。例:
let fruits = ['apple', 'banana', 'cherry'];
関数(Function)
関数もオブジェクト型であり、コードの再利用やモジュール化を実現します。例:
function add(a, b) {
return a + b;
}
データ型の変換
JavaScriptでは、データ型を明示的に変換することが可能です。
例えば、数値型を文字列型に変換する場合は次のように行います:
let number = 42;
let str = String(number);
また、文字列を数値に変換する場合も可能です:
let str = '42';
let num = Number(str);
型の比較
JavaScriptでは、データ型を厳密に比較するために===
演算子を使用します。
==
演算子は型の自動変換を行うため、思わぬ結果を招くことがあります。
例:
console.log(1 === '1'); // false
console.log(1 == '1'); // true
特殊なデータ型 – NaNとInfinity
NaN
(Not-a-Number)
計算結果が数値でない場合に返される値です。
Infinity
数値の範囲を超えた際に返される特別な値です。
まとめ
データ型を正しく理解し、適切に扱うことは、JavaScriptのバグを防ぎ、コードの可読性を向上させるために不可欠です。
特に複雑なプロジェクトでは、オブジェクトや関数などのデータ型を効率的に利用することで、開発のスピードと品質を向上させることができます。